阿久津 元史
東京学芸大学
学務部学生課
経歴
平成 2年 4月 東京学芸大学 教育学部附属特殊教育研究施設
平成 4年 4月 同 厚生課厚生係
平成 5年 4月 同 厚生課就職係
平成 6年 4月 同 付
平成 7年 4月 同 教育学部附属学校竹早地区事務係(小学校担当)
平成10年 4月 (併任)文部省体育局競技スポーツ課体育局2002年ワールドカップ準備室(平11・3月まで)
平成11年 4月 東京学芸大学 経理部契約第一係
平成12年 4月 同 経理部契約第二係
平成15年 4月 同 学務部大学院室連合大学院係
平成16年 4月 同 大学院課博士課程係主任
平成17年11月 同 学務課博士課程係主任
平成19年 4月 日本学術振興会 総務部経理課専門職員(契約担当)
平成20年 4月 東京学芸大学 学務部学務課大学院室博士課程係長
平成23年 7月 同 財務施設部財務課決算係長
平成26年 4月 同 財務施設部財務企画第一係長
平成29年 4月 同 学務部国際課専門職員
平成29年 7月 同 学務部国際課副課長
令和 2年 4月 同 財務・研究推進部財務課副課長
令和 4年 4月 同 学務部学生課長
これまでのキャリア
1年目~10年目 小さな成功体験で自信と基礎力を積み上げる
最初に配属されたのは特殊教育研究施設です。10名程度と小規模でアットホームな職場環境のなか、教員の昇任人事補助や物品の管理・購入など、会計や庶務の基礎的な知識と実務経験を積むことができました。その後に配属された厚生課での担当業務は、大学業務の醍醐味の一つである学生支援。私は主に学研災手続きや学生アルバイト紹介などの仕事を担当していました。当時、他大学や近隣の相場などのマーケット調査を行った結果、本学の家庭教師の時給が近隣と比べて低かったことが判明し料金改定を提案。1000円の時給アップを実現するに至りました。最初の数年で、このような小さな成功体験を積み重ねる機会が得られたことで、仕事に対する自信を増すことができました。
5年目には、教員養成大学だからこそ体験できる付属小学校に配属されます。付属研究施設で培った会計や人事のスキルに磨きをかけつつ、近隣住民や保護者とのやり取りを通してコミュニケーション能力や傾聴力を養うことができました。8年目の文部省(現文部科学省)の体育局競技スポーツ課への併任ではメダル獲得選手への表彰など、組織ガバナンスに携わるチャンスも。課長と一緒に議員会館周りも経験し、議員が持つ人を惹きつける独特なオーラに直に触れられたことも貴重な経験です。仕事は頂から裾野まで階層的に分かれていて、そのフロアごとで業務内容はもちろん、役割や責任も違ってきます。そして階層、キャリアを高めるには下支えとなる基礎力は不可欠。改めて自分の仕事を振り返ってみると、最初の10年は私の今を支えてくれる土台作りの時期だったのだと思います。
11年目~20年目 部分から全体へ。全体を見渡す重要性と人脈の価値を実感する
新営の建物の一般入札や海外との取引、新たな財務会計システムのマニュアル作成など、より一層仕事の面白さを肌で感じた経理部。そこを経て就いた学務部大学院室連合大学院係は、ある意味、キャリアのターニングポイントです。東京学芸大学は4大学連合大学院教育学研究科の基幹大学で、博士課程に関わる研究関連すべての係が設置されていたため、研究科長選挙を含め、その業務は多岐に渡ります。大学院という限られた世界でしたが、それまで部署の仕事を掘り下げるという専門性を高めていくやり方しか知らなかった私が、ここではじめて、1年間の仕事の流れを意識しながら業務に臨むようになりました。
新たな仕事への意識が芽生えた私は、係長に昇任するにあたり、経理課の契約担当専門職員として日本学術振興会に出向します。2007年の頃です。様々な大学から出向してきた人たちの集まりだったため、仕事の文化が違い過ぎて衝突したりルールを統一することからはじめたりと、頭を悩ます機会も多かったです。ですが、そうした苦労をともに分かち合ったからこそ、彼らとの絆がより一層に深まったと感じています。1年後に東京学芸大学に戻って、大学HPの構築や働き方のアップデートに迫られた際も、日本学術振興会で築いた人脈のおかげで何とか乗り切ることができました。ひとりで達成できる仕事はありませんし、今もそうですが、役職が上がるほど、人脈の重要性を事あるごとに痛感させられます。
21年目~現在 大学全体の運営に関わりたい。自己成長の先に待つ新しい世界
慣れ親しんだ学務課から畑違いの財務課へ。大学院室連合大学院係では大学全体の業務の流れを把握するに留まりましたが、ここでは監査法人とのやり取りを通して大学全体のお金の流れを学ぶ機会に恵まれました。その結果、業務とお金がどう結びついているのかについて触れることができた。このとき私が手掛けた「財務レポート」創刊号は、経営協議会の学外からも好評でしたし、今もその基本フォーマットは使われているのは嬉しいですね。
人事、庶務、会計、財務など、様々な経験を通して仕事力や信頼力が認めらえて、仕事も任されるようになると、大学全体に関わる仕事に携わりたいと思うように。ここが私の第二のターニングポイントです。国際課はこれまた畑違いの分野でしたが、「キャンパス・アジア事業(特定の日中韓の大学の留学で二つの学位を取得できる) 」の枠組みを確立。また、カンボジアに養護教諭を養成するプログラムでは、その体制基盤を整えることに成功しました。教員の海外スタディツアーの引率補助として、学生たちと香港や北京に行くことができ充実した3年間でした。
副課長から学生課の課長に昇任した2023年からは、課のマネジメントを担っています。業務の幅広さとやり抜いた先にある達成感と充実感、仕事を通した自己成長など、キャリア形成の面白さを伝えつつ、職員一人ひとりの生活が豊かになるキャリアの歩み方や働き方を作っていけたらと考えています。
メッセージ
国立大学法人で働くことの醍醐味は、教員や学生と事務職員、産業界と教職員、同じ課や他大学の教職員など、様々な人たちとの繋がりとそれぞれの仕事の役割のなかで、切磋琢磨しながら成長し続けられることです。また、社会情勢が変化するなか、学生支援、外部資金調達、研究支援など、求められる仕事の役割も多様化しています。様々な課題を乗り越えて成功体験を積み上げながら躍動できるフィールド、それが国立大学法人の職場です。是非、飛び込んでみてください。