佐武 いつか

高エネルギー加速器研究機構【化学】

佐武 いつか
加速器研究施設 加速器第五研究系制御グループ
 
採用年度:平成28年度
試験区分:化学

現在の仕事内容について

 当機構では、電子、陽電子を使って、反粒子が失われた原因を究明するSuperKEKBとBelleⅡ実験、運動する電子から放出される放射光を使った物質や生命科学の研究を行っています。私が所属するグループは、円形加速器にビームを供給する入射器の制御を担当しています。
 グループでは、計算機によるビーム制御、診断、運転用ソフトウェアの開発などを行っています。私の担当は、精密機器を安定に稼働させるために必要な温湿度の監視、迅速に不具合を検知するための管理システム、人との加速器の安全を確保するためのインターロックシステムの開発及び管理です。常に制御システムの向上を目指し、楽しみながら仕事に取り組んでいます。

印象に残っていること/嬉しかったこと

 温湿度計測システム管理のための、計測データ表示パネルとアラームシステムを開発し、実際にビーム運転中に運用することができて嬉しかったです。より高精度な閾値を計算・設定し、管理システムを改良することで、今秋から再開するSuperKEKB運転に要求される高度なビーム運転に貢献したいです。

教育・研究支援系業務の魅力、やりがい

 私の所属する制御グループは、加速管や高周波源、運転管理、電子銃などの他の全てのグループの仕事に関わるため、入射器全体の動きを把握することができます。そのため、制御ソフトウェアやビームのタイミング配信に関する知識だけでなく、加速器に関するあらゆる情報を取り入れなければならず、考慮すべき問題が多いため毎日が勉強です。しかし、自分の携わったシステムが加速器の安定した運転や操作性の向上につながるため、大きな責任を伴うやりがいのある仕事だと感じています。また、様々な分野のエキスパートが周りにいる恵まれた環境であり、最先端の科学に携わりながら高い技術力を磨くことのできる魅力的な職場であると実感しています。

年間スケジュール

1月~6月
加速器運転ビーム試験と円形加速器へのビーム入射を行います。

 

7月~9月
メンテナンス期間、国内学会:運転機器の保守作業を行います。次期運転に要求されるソフトウェアの開発・試験を行います。国内学会で研究発表を行います。

 

10 月~12 月
加速器運転、国際学会、技術交流会:ビーム試験と円形加速器へのビーム入射を行います。国際学会で研究発表を行います。機構内での研究発表会に参加します。